$0 Japan — Investment Checklist

不動産投資の初期費用はいくら?物件価格別の諸費用を完全整理

「物件価格の10%が諸費用」と言われることがあるが、これは大まかすぎる。実際には物件の種別(新築か中古か)、取得方法(現金か融資か)、所有形態(個人か法人か)によって初期費用の構成が大きく変わる。曖昧な見積もりで進むと、決済直前に「現金が足りない」という事態になりかねない。

不動産投資の初期費用:大分類と内訳

不動産投資の初期費用は大きく「頭金(自己資金の物件価格への充当分)」と「諸費用(取引コスト)」の2つに分けて考える必要がある。

分類 内容 資金の性格
頭金 物件価格 − 融資額 資産形成(物件の持分として残る)
諸費用 税金・手数料・保険料等 費消(手元から消える)

融資を利用する場合、諸費用は融資に含まれないのが原則だ。金融機関はあくまで「物件価格(担保価値)に対する融資」を行うため、諸費用分はすべて手持ちの現金で支払う必要がある。

諸費用の主な項目と費用相場

1. 仲介手数料

不動産会社(仲介業者)に支払う報酬。上限額は法律で定められている。

  • 売買価格200万円超〜400万円以下:価格の4% + 2万円 + 消費税
  • 売買価格400万円超:価格の3% + 6万円 + 消費税(実務上はこれが主流)

3,000万円の物件であれば:3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円 + 消費税10% = 約105.6万円

なお、売主が不動産会社(業者)で直接購入する場合(新築ワンルームマンションの多くがこのケース)は仲介手数料がかからないことがある。一方で「両手仲介」(仲介会社が売主・買主双方から手数料を受け取る)が存在する場合も多い。

2. 登録免許税

法務局での不動産登記(所有権移転・抵当権設定)に課される税金。

登記種別 投資用不動産
所有権移転登記(土地・建物) 固定資産税評価額 × 2.0%
抵当権設定登記 借入金額 × 0.4%

3,000万円の物件(固定資産税評価額が売買価格の60%≒1,800万円と仮定)で2,500万円のローンを組む場合:

  • 所有権移転:1,800万円 × 2.0% = 36万円
  • 抵当権設定:2,500万円 × 0.4% = 10万円

3. 不動産取得税

物件取得後1〜2ヶ月後(一部は半年後)に都道府県から請求が来る地方税。

  • 土地・建物ともに:固定資産税評価額 × 3%(軽減税率適用中)
  • 新築住宅の特例(床面積50〜240m²等の条件を満たす場合)で税額が大幅に軽減されるケースもある

投資用物件(賃貸用途)には居住用の軽減措置が適用されないケースが多いため、固定資産税評価額の3%をそのまま見込んでおく。固定資産税評価額1,800万円であれば54万円

4. 印紙税

売買契約書への収入印紙の貼付。2027年3月末まで軽減税率が適用。

  • 1,000万円超〜5,000万円以下:1万円
  • 5,000万円超〜1億円以下:3万円

5. 司法書士報酬

登記手続きを依頼する司法書士への報酬。物件の価格・複雑さにより異なるが目安は5万〜15万円

6. ローン関連費用

融資を利用する場合に発生する費用。

項目 目安額
融資事務手数料(一部銀行) 借入金額の1〜2%(または定額5万〜10万円)
ローン保証料(アパートローンの場合) 借入金額の約1〜2%(一括払い)または金利に上乗せ
団体信用生命保険料(団信) 多くは金利に含まれる

2,500万円ローンで事務手数料1%の場合:25万円。保証料を一括払いの場合:25万〜50万円

7. 火災保険・地震保険

  • 火災保険:1年あたり1万〜3万円(長期一括で割安)
  • 地震保険:火災保険保険料の50〜100%(エリアや建物構造により異なる)

5年一括の場合、合計10万〜30万円程度が初年度に発生。

8. 管理費・修繕積立金(区分マンション取得時)

取得月の日割り分および前払い分。月2〜4万円 × 数ヶ月分で5万〜15万円程度。

物件価格別の初期費用シミュレーション

中古区分マンション(東京城東エリア)2,000万円、融資1,700万円の場合

項目 金額(概算)
頭金 300万円
仲介手数料 約72万円
登録免許税(所有権移転・抵当権) 約29万円
不動産取得税 約36万円(評価額1,200万円×3%)
印紙税 1万円
司法書士報酬 約10万円
ローン事務手数料・保証料等 約30万〜50万円
火災・地震保険 約15万円(5年一括)
諸費用合計 約193万〜213万円
頭金+諸費用の合計現金必要額 約490万〜510万円

木造一棟アパート(地方主要都市)4,000万円、融資3,400万円の場合

項目 金額(概算)
頭金 600万円
仲介手数料 約138万円
登録免許税 約60万円
不動産取得税 約72万円
印紙税 1万円
司法書士報酬 約12万円
ローン事務手数料・保証料等 約50万〜100万円
火災・地震保険 約20万円(5年一括)
諸費用合計 約353万〜403万円
頭金+諸費用の合計現金必要額 約950万〜1,000万円

Free Download

Get the Japan — Investment Checklist

Everything in this article as a printable checklist — plus action plans and reference guides you can start using today.

自己資金がない場合の「フルローン」は可能か

「フルローン(諸費用込みローン)」を提供する金融機関は存在する。ただし、フルローンは金利が高い(1〜2%上乗せ)傾向があり、かつ担保価値の積算評価を大きく超えた融資のため、審査が通りにくい。

また、諸費用をローンに含めた場合、購入直後から「担保割れ(オーバーローン)」の状態になる。物件を売却しても残債を返済しきれない状態が続き、数年間は売るに売れない状態になる。初期段階で最低でも諸費用分の現金は手元に確保しておくことが強く推奨される。


不動産投資の初期費用は物件価格の7〜10%が実態の目安だ。「物件価格だけ」で資金計画を立てると、諸費用分で数百万円の資金不足が直前に発覚する。融資審査と平行して諸費用の見積りを早期に取り、資金計画を確定させることが、スムーズな取引の前提条件になる。

融資の組み方から諸費用の節税処理、出口戦略の設計まで一冊でカバーする不動産投資スタートガイドで、日本の不動産投資の全体像を把握してほしい。

Get Your Free Japan — Investment Checklist

Download the Japan — Investment Checklist — a printable guide with checklists, scripts, and action plans you can start using today.

Learn More →